2025年10月18日(土)〜2025年11月8日(土)
現代フランス文学入門 ミシェル・ウエルベックの『地図と領土』を読む
本講座ではフランスの現代作家であるミシェル・ウエルベックの『地図と領土』(野崎歓訳、ちくま文庫、2015年)を解説します。
ミシェル・ウエルベックは、1998年に『素粒子』がベストセラーとなり、2015年には『服従』が世界中で大きな話題を呼びました。日本でもその作品の多くが翻訳され、人気を博しています。
彼の代表作のひとつである『地図と領土』は、フランスでもっとも権威ある文学賞であるゴンクール賞を2010年に受賞した作品です。本作では孤独な天才芸術家ジェドとその創作の格闘が描かれています。多くの批評や解説文で、この作品は「現代芸術市場を舞台にした」という枕詞のもとで紹介されてきました。ところが、一読すれば分かる通り現代美術市場は本作の一部でしかありません。むしろ作者本人が登場人物として登場したり、急に推理小説風になったりと、小説ならではの奇妙さが際立つ作品です。本講座では、主人公の芸術活動に焦点を当てながら、作家の戦略としての小説創作に迫ります。
テクストは日本語訳の文庫版を使用します。授業では、この日本語訳にもとづいて、講師がレジュメ資料を準備します。各自で購入して持参してもかまいません。
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備考
【参考書籍】
『ウエルベック発言集』講師共訳、白水社、2022年
【使用書籍】
『地図と領土』野崎歓訳、筑摩文庫、2015年
『ウエルベック発言集』講師共訳、白水社、2022年
【使用書籍】
『地図と領土』野崎歓訳、筑摩文庫、2015年