新宿御苑のもうひとつの顔を知る
新宿御苑の名前を耳にした時、最初に思い浮かべるものは何でしょうか。
広い芝生で思い思いにくつろぐ人々、1000本を超え種類も豊富な桜、菊花壇展に洋らん展。初めて観た屋外の夜の能舞台だという人もいることでしょう。
新宿御苑の面積は58.3ヘクタールで、代々木公園や上野恩賜公園よりも4~5ヘクタールも広いのです。1日の平均乗降客数が350万人を超し、世界一を誇る新宿駅のすぐ側に、新宿御苑のような憩いの空間が残されている。こう考えると、代々木公園や上野恩賜公園とは異なり有料だとはいえ、新宿御苑が都会のオアシスと称されるのにも納得です。
『君の名は。』『天気の子』『すずめの戸締り』と大ヒットアニメ映画を出し続けている新海誠監督は、2013年に『言の葉の庭』を公開しています。新海監督が有名になる前のこの作品の舞台が新宿御苑だったりもします。
歴史に詳しい方であれば、信州高遠藩内藤家の屋敷跡であることはご存じでしょう。
新宿という地名にしても、もともとは内藤新宿でした。距離が遠すぎる甲州街道の日本橋宿と下高井戸宿の間に新たな宿場町を設ける際に、幕府が内藤家の下屋敷の一部を返還させてつくったことから、内藤新宿と名づけられたのです。
新宿御苑が一般に開放される公園になったのは昭和24年(1949)から。それまでは、御苑の名が示す通り、宮内庁が管轄する皇室のための大庭園であり、皇室のための食料を生産する農地でもありました。
あまり知られていませんが、このさらに前、明治維新後に内藤家の手を離れ、明治5年(1872)以降この場所は、庭園でもなく公園でもなく、国の農業試験場や園芸試験場として機能していたのです。新宿御苑を語る際に欠かすことのできない偉人、福羽逸人の足跡とともに、日本の農業や園芸の発展に貢献し私たちの暮しにも影響を与えてきた、新宿御苑のもうひとつの顔に迫ってみましょう。
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備考
※ 新宿御苑への入園料は各自負担です。
※ 園内をかなり歩き回りながら見学する講座です。歩きやすい服装、靴でご参加ください。
※ 集合場所等詳細については、受講のご案内に記載いたします。
※ 悪天候のため「雨天時予備日」に延期する場合、前日または当日朝に電話等にてご連絡します。
※ 菊花壇展の開催期間中です。講座終了後にぜひ各自でご覧ください。