武者小路実篤を知る
日本の魅力ある博物館・美術館シリーズ
調布市武者小路実篤記念館
2021年春期より「日本の魅力ある博物館・美術館シリーズ」講座を実施しています。北海道から沖縄まで、日本全国の魅力ある個性的なミュージアムの学芸員や研究員が講師を担当し、コレクションや企画展について解説します。今期は東京都調布市の「調布市武者小路実篤記念館」です。交友関係の広かった実篤が多くの来客を迎えた邸宅と、湧水の池のある庭園は四季で表情を変え地域の人に愛されています。秋の特別展を楽しみながら、実篤の過ごした地で実篤の人物像や記念館の活動について学ぶ貴重な機会です。ぜひご受講ください。
調布市武者小路実篤記念館は、作家の武者小路実篤(1885-1976)が晩年の20年間を過ごした「仙川の家」(現・実篤公園)に隣接して、昭和60(1985)年に開館しました。令和7(2025)年は開館40周年に当たります。
当館の最大の特徴は、常設展示を持たず、年に7~8回のテーマ展のみで展示を構成していることです。一つ目は、いつ来ても新しい発見があり、何度でも訪れたくなる記念館でありたいという思い、二つ目は、文学・美術・新しき村と活動が多彩で、交友関係も広かった実篤の業績を、さまざまな側面からご紹介したいという思いから、開館以来この方針を持ち続け、40年間で開催した展覧会の数は300回を超えました。
また、「敷居は低く、間口は広く、奥行は深く」をモットーに、例えば実篤公園のシュロの葉でバッタ作り、実篤マンホールの蓋で拓本体験、新しき村から贈られた梅の木から実を収穫してジャム作りといった、実篤に関心がなくても楽しめる普及講座から専門的なレファレンスまで、幅広いニーズに応えています。
記念館に隣接する実篤公園は、実篤が水のあるところに住みたいという子どもの頃からの夢をかなえ、昭和30~51(1955~76)年まで暮らした場所です。約5、000㎡の広い園内には、旧実篤邸(登録有形文化財)が残るほか、湧水を水源とする大小の池、武蔵野に特徴的な樹木や野草などが四季折々の風情を見せてくれます。
本講座を通じて、武者小路実篤という人物や当館の活動を広く知っていただくきっかけとなれば幸いです。
調布市武者小路実篤記念館
【住所】〒182-0003 東京都調布市若葉町1-8-30
【開館時間】9:00~17:00(閲覧室は10:00~16:00)
【休館日】月曜日(祝日の場合は直後の平日)、12/29~1/3
※ほかに、展示室と閲覧室には休室日あり。確認の上お越しください。
【入館料】大人200円、小・中学生100円
【アクセス】京王線つつじヶ丘駅または仙川駅下車 徒歩10分
【ホームページ】https://www.mushakoji.org
少し昔、昭和時代には、野菜や花などの絵に「仲よき事は美しき哉」といった文字が添えられた、独特の味わいがある実篤の書画が身の周りにあふれた時期がありました。令和の今となっては、誰もが知る人というわけにはいかないようですが、武者小路実篤記念館では、実篤に関する日本で唯一の情報収集発信基地として顕彰に努めています。本講座では、実篤の業績や人物像をご紹介するとともに、記念館と実篤が暮らした「仙川の家」(現・実篤公園)をご案内します。
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