2026年3月2日(月)〜2026年3月9日(月)
戦後80年:戦争をめぐる映画と流行歌の心性史② 〈銃後〉と〈敗戦〉をめぐる女性の〈感情〉史
この講座は、夏期に実施した同名講座の続編となります。夏期講座では、主として兵士たちの戦場経験のリアリティを描いた映画、戦争責任をめぐる批判的なメッセージが込められた映画などをとりあげました。すなわち、敵前逃亡、友軍相殺、上官殺害といった戦場での凄惨で無責任な状況によってトラウマを負った兵士たちやその家族の挫折や苦悩、そこから生まれてくる戦争指導層への反発や責任追及の〈感情〉など、戦争をめぐる男性の〈感情〉史を描出しました。
これに対して、今回の講座では、〈銃後〉や〈敗戦〉をめぐる女性たちの〈感情〉史を再構成していきます。よく知られているように、軍需工場や地域社会で戦争を懸命に支えていた女性たちは、敗戦後、占領軍や国家権力のもとで〈聖女〉と〈娼婦〉に分類され、とりわけ貧困ゆえに〈娼婦〉となった女性たちは男女平等や民主主義の外側で生きていくことを強いられていきます。
人権尊重と平和主義の戦後社会にあって大衆的な映画や流行歌は、上述のような女性たちの戦中・戦後の経験をどのように代弁していくのでしょうか。
たとえば、アメリカ兵相手の売春をいわば必要悪と見なすのか、それを人道的な立場から断固批判するのか、という立場の違いなどが作品にはあらわれているといえます。
戦後80年の今、大衆映画や流行歌から私たちの平和意識を考えてみませんか。
- 開催日
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- 場所
- 千代田区
- 主催者
- 東京都立大学
- 定員数
- 15名
- 費用
- 5000円
- 申込期日
- 問い合わせ
- 03-3288-1050平日9:00~17:30
- 対象世代
- 現役世代
- 学習レベル
- 初級者
- 関連する資格、職業等
備考
※この講座は、これまで実施された上田誠二の講座と重複する内容がありますが、新しい視点・資料をとりいれ再構成されています。また、夏期に実施されたパート1を受講していなくても内容は十分理解できます。


