観測データから探る東京の短時間強雨
東京23区の今を考える
観測データから探る東京の短時間強雨
特別区プレミアム講座「東京23区の今を考える」は特別区協議会とオープンユニバーシティの連携講座です。有数の大都市東京の社会的課題や、対応に関して広く東京都区民に理解を深めていただくことを目的とした講座です。多くの方々に受講していただけるよう、特別価格で提供し、入会金も不要です。
尚、当講座に関しては事前のキャンセルの場合でも受講料は返却いたしませんのでご了承願います。
夏になると,短時間の激しい雷雨(以下,短時間強雨といいます)によって市街地が冠水し,マンホールから下水が吹き出したり,中小河川の水があふれたりする都市型水害の様子が毎年のように何回かニュースに取り上げられます。落雷による停電なども発生することがあり,人々の生活に大きな影響を及ぼすため,社会的にも関心の高い気象現象といえます。このような短時間強雨をもたらす積乱雲は,1個の直径が数kmから10 kmほどで,数十分から1時間程度の寿命ですが,時として1回のイベントで100 mmを超える降水をもたらします。空間スケールが小さく,突発的に発生・発達することがあり,民間気象会社やマスコミが「ゲリラ豪雨」と称するように事前の予測が難しい現象です。1999年7月21日(練馬豪雨)や2008年8月5日の短時間強雨では,それぞれ地上にあふれた雨水が流れ込んだ住宅の地下室のドアが開かなくなったことや,作業中の下水道で急激な増水が起きたことによって犠牲になった方がいます。短時間強雨の増加傾向もあり,近年都市型水害に対処するさまざまな整備の取り組みや予測に向けた研究が行われています。
本講座では,このような短時間強雨が時空間的にどのような雨の降り方をするのか,また東京都区部や周辺での発生頻度の偏りなどを,たくさんの気象観測データを用いた事例解析や統計的解析から考えます。そして,短時間強雨をもたらす積乱雲の盛衰と,それに伴うさまざまな大気現象を解説します。たとえば,「空模様の怪しいときに,風向が変化して冷たい風を感じたら要注意」といわれますが,これがどのような積乱雲(対流システム)の現象や仕組みによっているのか,また,積乱雲の世代交代などについて事例解析を含めてみていきます。現在も解明の途上ですが,短時間強雨の発生に都市がどのように関与しているのか,いくつかの研究例や仮説を示しつつ議論したいと思います。
- 開催日
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- 場所
- 千代田区
- 主催者
- 東京都立大学
- 定員数
- 40名
- 費用
- 1000円
- 申込期日
- 問い合わせ
- 03-3288-1050平日9:00~17:30
- 対象世代
- 現役世代
- 学習レベル
- 初級者
- 関連する資格、職業等


