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2026年1月22日(木)〜2026年3月19日(木)

小泉八雲 文学散歩「日本の面影」(2) 

対面講座

小泉八雲と言えば「怪談」の著者としてよく知られています。しかし「どんな人だった?」「他にどんな本を書いた?」と問われると、詳しくは知らない人が多いようです。彼は全ての作品を英語で発表し、西洋の読者のために書きました。そのため日本の読者は、八雲文学を翻訳本でしか読んでいないと思われます。本講座では八雲の著書を原文(英語)で斜め読みしながら、八雲文学のエッセンスを楽しんでいきます。そしてその珠玉の言葉から、小泉八雲の人物像をあぶりだしていきます。 
八雲が来日して最初に出版した本はGLIMPSES OF UNFAMILIAR JAPAN。下の写真はその初版本(1894年)で、上下二巻699ページに及ぶ大作です。八雲はこれを「竹の本」と呼んで、美しい装丁をとても気に入っていたそうです。  「知られざる日本の面影」「日本瞥見記」という翻訳で知られていますが、本講座ではこの初版本をめくりながら、八雲文学珠玉の一品を紐解いていきます。
冬講座で主に扱うのは、FROM THE DIARY OF AN ENGLISH TEACHER   (英語教師の日記)です。教師としての八雲はどんな英語教育を行っていたのでしょうか?松江、熊本、東京時代の学生達が書き残したノートも参考にして、八雲の教師像も描き出します。

All teaching in the modern Japanese system of education is conducted with the utmost kindness and gentleness. The teacher is a teacher only: he is not、 in the English sense of mastery、 a master. He stands to his pupils in the relation of an elder brother. He never tries to impose his will upon them: he never scolds、 he seldom criticises、 he scarcely ever punishes.(中略)
近代日本の教育制度においては、教育の根本姿勢は親切で穏やかである。 教師はteacher(教える人)であって、英語のmastery(支配者)ではない。教え子にとっては教師は、年上の兄のような立場である。教師は自分の考えを生徒に押しつけようとはしない。教師は決して叱りつけるようなことは せず、生徒を非難することもめったになく、罰することは決してない。

本作品に登場する松江の町を取材した映像「文学散歩」をご覧いただきながら、視覚的にも楽しむ講座です。

開催日
場所
千代田区
主催者
東京都立大学
定員数
15名
費用
10100円
申込期日
問い合わせ
03-3288-1050平日9:00~17:30
対象世代
現役世代
学習レベル
初級者
関連する資格、職業等
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