2025年8月4日(月)〜2025年8月18日(月)
戦後80年:戦争をめぐる映画と流行歌の心性史 大衆娯楽は〈戦地〉〈銃後〉〈敗戦〉をどのように描いてきたのか
映画・メディア
歴史・哲学
対面講座

戦後80年の今、講座では、戦争中から現在に至るまでに世に送り出された、代表的で大衆的な映画や流行歌が、〈戦地〉や〈銃後〉や〈敗戦〉をどう描いてきたのかを検討します。映画や流行歌は、その作品がつくられた、同時代の政治や社会の動向との緊張関係のなかで、戦争を賛美することもあれば、戦争に拒否反応を示すこともあります。戦後民主主義の社会であっても、〈戦地〉や〈銃後〉のリアリティを描く場合、戦争の悲惨さや残酷さを焦点化する作品もあれば、あえて、そうした場に生きた人びとのヒューマニズムを主題化する作品もあります。
重要なことは、作品のなかで〈何か〉が強調されることで、ときに意図的に、ときに企図せずして、他の〈何か〉が見えなくされてしまうことです。たとえば、日本軍兵士の雄姿や誇りを過度に強調すれば、当然のことですが、兵士たちが抱え込んでいた矛盾や弱さ(戦争犯罪、厭戦意識等)は不可視化されるでしょう。
果たして、映画や流行歌は、それが制作された同時代に対して、いかなる社会的メッセージを投げかけていたのか。さらに、その作品は〈男性〉目線なのか、あるいは〈女性〉目線なのか、という違いによっても、評価のされ方は異なってくるでしょう。実際、ここでいうジェンダー視点は、たとえば〈敗戦〉の描き方に関して、アメリカ兵相手の売春をいわば必要悪と見なすのか、それを人道的な立場から断固批判するのか、という立場の違いとなって作品に表れています。
戦後80年の今、大衆映画や流行歌から私たちの平和意識を考えてみませんか。
- 開催日
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備考
【参考書籍】
『音楽はいかに現代社会をデザインしたか』
(新曜社、2010年)
【参考書籍】
共著『〈戦後〉の音楽文化』
(青弓社、2016年)
【参考書籍】
『「混血児」の戦後史』
(青弓社、2018年)
※この講座は、これまで実施された上田誠二の講座と重複する内容がありますが、新しい視点・資料をとりいれ再構成されています。
『音楽はいかに現代社会をデザインしたか』
(新曜社、2010年)
【参考書籍】
共著『〈戦後〉の音楽文化』
(青弓社、2016年)
【参考書籍】
『「混血児」の戦後史』
(青弓社、2018年)
※この講座は、これまで実施された上田誠二の講座と重複する内容がありますが、新しい視点・資料をとりいれ再構成されています。