ミニ・パブリックス くじ引きと熟議による自治体政策のつくりかた

効果的な解決技術の開発も、それに対する人々の合意づくりも難しい複雑化する社会課題に向き合うために世界各国(政府・自治体、国際機関)ではいろいろな試みが行われています。そのひとつが「市民の熟議」への期待です。「熟議」はシティズンシップ教育としても注目されていますが、政府・自治体の政策形成への参加の点からも様々な模索が行われています。もうひとつの側面が幅広い市民の参加を得ようとする挑戦です。その代表例が古代ギリシアの取り組みに一つの源流を持つ「くじ引き」による参加を取り入れようとするものです。この講座では「くじ引きと熟議」を巡る世界の動向と、日本での実践から「くじ引きと熟議」による「ミニ・パブリックス」を「私たちのまち」の政策に活かすあり方を考えてゆきます。
【各回について】
各分野の専門家による講義と参加者のディスカッションから進めてゆきます。
●世界の「気候市⺠会議」
政策分野別にみて大規模に「くじ引きと熟議」の取り組みが進み、⼀部の国では「くじ引き代表議会」の法制度化が進むのが気候変動・エネルギー・環境問題の領域です。世界の「気候市⺠会議」の取り組みとその意義を考えます。
●日本における「くじ引きと熟議」
日本ではドイツの「計画細胞(会議)」方式に学んだ「市⺠討議会」の実践が広がりました。
「市⺠討議会」を条例で定める自治体も登場しています。「気候市⺠会議」も東京周辺地域を中⼼に広がっています。自治体の事務事業評価を「くじ引きと熟議」で⾏おうとする自治体もあります。日本の自治体での「くじ引きと熟議」の実践とその特徴を考えます。
●「くじ引きと熟議」の制度化
世界各国の「くじ引きと熟議」の実践では、自治体議会の付属機関に位置付ける事例や、法的な拘束⼒を持つ住⺠投票⼿続きの中に位置付ける事例も存在ます。ミニ・パブリックスの「制度化」は⺠主主義にどのような意味づけを持つのでしょうか︖「自治」のメカニズムの観点から考えます。
●ワーク(グループ討議)
「くじ引きと熟議」を自治体政策に活かすには何が重要なのでしょうか。「くじ引きと熟議による自治体政策のつくりかた」を参加者で議論します。
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