2025年9月6日(土)〜2025年9月13日(土)
現代日本主義における格差・貧困拡大と日本の少子化
社会
対面講座

世界の国々で格差が拡大し、上位数パーセントに所得と富が集中し、貧困が拡大する現代資本主義とはどういう社会なのか。その特徴はどこにあるのか。現代資本主義を支える柱は新自由主義政策といわれていますが、その新自由主義政策とはどういうものであり、誰が推進したのか。一方、中曽根政権、とりわけ小泉政権以降、他の国と同様、新自由主義政策を採用、推進する日本は、他の先進国と比較しても国民生活のレベルダウンが著しい。食料、住まいに困窮する国民が増加するだけではなく、中間層も子供を育てる余裕を失い、急速に少子化が進行しています。少子化のスピードは早く、生産現場の存続も危ぶまれる事態がすでに発生しています。同じ新自由主義でも様相が異なります。他の先進国と日本とはどこが違うのか。日本が直面する問題は国民生活、産業競争力の後退、農業・食料・農村危機、不登校の増大・子供と向き合う時間を奪われた教員が常態化する教育行政問題、政治の劣化、と多岐にわたります。今回の講座ではまず国民生活に焦点を当て、政策との関連に言及しながら議論したいと思います。児童手当を少しばかり増額すれば、少子化対策になるという考えがいかにあさはかかを示します。政府、経産省は株の持ち合い解消・外部役員・株価経営という企業のガバナンス改革を進めていますが、この方向で従業員の待遇・職場環境改善、そして日本企業の産業基盤は果たして改善されるのでしょうか。お上に任せていれば何とかなるということではなく、国民の一人一人が勉強し、情報を集め自分で考え行かなければ希望は生まれません。実際、そうした若者も増えつつあります。
- 開催日
-
備考
参考書籍:福田泰雄『格差社会の謎―持続可能な社会への道しるべ』創風社、2021年